撮影はスマホでもOK

以前は写真を撮るというと、フィルム式のカメラを使うのが当たり前でしたが、今ではデジタルカメラ(デジカメ)が一般的になっています。さらにスマートフォン(スマホ)の普及により、スマホ内蔵のカメラがデジカメに取って代わるようになっています。最近のスマホのカメラは性能的にも画質的にも、十分広報に使えるレベルになっていますので、デジカメにこだわることなく、スマホでの撮影で十分です。

スマホで撮影
とにかく撮ろう

写真撮影で意識したいことは、まず「とにかくたくさん撮る」ことです。フィルムの時代は1本のフィルムで撮影できる枚数が限られており、また現像・プリントにお金と時間が掛かかりましたが、今はデジカメの時代。保存できる限りの枚数をバシャバシャ撮っても大丈夫です。容量が足りなければ、保存用のメディア(SDカード等のデータカード)を差し替えればいいし、場合によっては、不要な写真を消せばその分また撮影できますからね。

たくさん撮影すると、その中に何枚か良い写真が交じっています。1枚、2枚と少ない撮影数で完璧なシャッターチャンスをとらえることができればそれに越したことはありませんが、それはまず無理。だからたくさん撮影するとよいのです。

いろいろな距離で撮ろう

例えば会議の写真を撮影する場合、会場の後ろから1枚撮るだけという方法ではダメ。前述のようにたくさん撮ることが大切ですが、でも同じような写真をたくさん撮ってもしょうがないですね。そこで考えたいのが、遠景・中景・近景という距離感です。

遠景はロング(ロングショット)とも呼ばれ、遠くから全体を写す方法です。会議の全体像を撮影します。近景はアップ(アップショット)とも呼ばれ、対象を大きくとらえるもの。例えば議長だけを撮ったり、発言をしている人だけを狙ったりします。中景はミディアム(ミディアムショット)とも呼ばれ、遠景と近景の中間で、会議の場の一部(数人など)を撮ったりするものです。

こうした三つの距離から写真を撮っておくと、会議の全体像から発言者の真剣なまなざしまで、さまざまな状況を捉えることができます。これによって会議の全体像が見えてくるわけです。全景(ロング)だけでは、参加者の様子や会場の雰囲気を伝えることはできません。

さまざまな位置からの撮影例

遠景や近景などさまざま位置からの撮影例

いろいろな角度で撮ろう

前述のようにさまざまな距離からの写真を撮る場合、撮影の角度にも注意しましょう。例えば議長や講師等を撮るなら、最低でも三つの角度で撮影します。正面から、右から、左からの三つです(図内の⑭⑮⑯)。遠景として会議の全景を撮る場合でも、部屋の後ろの中央から、左から、右から(図内の⑤⑧⑬)、また部屋の前方の中央から、左から、右から(図内の①⑥⑨)撮ります。さらに中景として、部屋の中程の中央から、中程左から、中程右から(図内の②③④⑦⑩⑪⑫)と、さまざまな位置からの撮影が可能です。

このように、距離や角度を変え、それぞれに数枚ずつ撮影すると、一つの会議であっても数十枚から100枚程度、撮ることになります。知らないうちに「たくさん撮る」ことになるわけです。

室内で撮影する位置の例

撮影位置の例

状況に合わせて臨機応変に

これまで述べた撮影方法以外にも、現場の状況に合わせて臨機応援に対応しましょう。例えば椅子や脚立に乗って少し高い位置から撮影すると、全体を見渡す感じの写真を撮ることができます。

また個人のアップを撮るときは、撮られる人が目をつぶっていないときにシャッターを切るようにしたいもの。瞬きが多い人もいますので、しばらくその人を観察し、どういうタイミングで目をつぶるのかを感覚的にとらえるといいですよ。

画像データ形式や解像度を気にしなくてよくなってる

デジカメやスマホで写真を扱うということは、写真がデータである(紙ではない)ことになります。膨大な容量を小さなメディアに入れることができてとても便利ですが、半面、画像データの形式や画像解像度というものに気を配る必要が出てきました。

カメラ関係の画像データ形式は、JPEGが多く使われており、汎用性がありますからほぼこれでOK。デジカメ等に保存されているデータ形式のまま、広報に使える場合が多いので安心です。

ただし、プロの環境での制作では、データ形式にこだわる必要が出てきますので、その点は注意が必要ですが、Wordに貼り付ける写真であるなら、デジカメで撮ったデータのままでもOKです。

画像解像度とは、乱暴に一言で言うと写真の密度のこと。5cm×5cmの画像でも、その密度が低いと、印刷時にぼけてしまったり、ジャギーと呼ばれるギザギザが出てしまったりします。しかし現在のデジカメやスマホで撮影できる写真のサイズなら、この問題も深く考えなくてよいレベルになっています。反対に撮影できるサイズが大きいため、Word等に貼り付けた場合、無駄に大きいという問題が出ています。Word上で縮小すれば適当な大きさにできますが、その場合、画像が持つデータ量は変わらないので(見た目が小さくなっているだけなので)、無駄にプリント時間が掛かるという弊害が出ることがあります。

(解像度については、こちらを参照してください「写真と解像度1」「写真と解像度2」)

著作権・肖像権にも配慮を

会議や集会などの写真を広報誌に掲載する場合、参加者の顔が写ったものを使用してもよいかどうか、という点で注意が必要です。広報誌に自分の姿を掲載されたくない人もいるでしょう。そのため本来は、参加する人たちに撮影許可を取ることになるのですが、事実上、不可能な場合が多いですね。では、どうしたらいいのかと心配になります。

その集会に参加していることを知られたくない人がいるかもしれません。こうした思いに配慮し、例えば参加者の顔をぼかす方法もあります。カメラのレンズや絞りを調整することで、近くにピントを合わせて遠くをぼかすこと(被写界深度を浅くする)をすれば可能ですが、スマホ等ではなかなか難しいところです(被写界深度についてはこちらから)。

ということで、参加者の了解が得られない場合は、顔が写らないように背後からの写真のみにする場合もあります。

壇上にいる議長・発表者・講師などは、事前に「写真を撮って広報誌に掲載する」旨を伝えておけばいいでしょう。また少人数の会議等では、初めに「今日の様子を写真と共に広報誌に掲載する」旨を一言伝えておくこともできますね。

繁華街などで雑踏を撮影すると、自ずと人の顔が写ります。こうした写真や映像を無断で掲載・放送したとして起こされた裁判もあるようですが、判決はケース・バイ・ケース。社会通念との絡みもあり、判断が難しいようです。