表紙には四つの面があります

みなさんは「表1」とか「表4」という言葉を聞いたことがありますか。「おもていち」ではなく「ひょういち」と読みます。これは冊子型の印刷物で使われる用語です。表1とは、いわゆる表紙をさします。表4は裏表紙。それなら表2や表3もあるのかといえば、はいはい、ちゃんとあります。表紙の裏が表2で、裏表紙の裏が表3なんです。なんでこんな言い方をするかというと……。

一般的な冊子は、表紙だけ別の紙(少し厚い紙など)を使う場合が多いですね。表紙に存在感を持たせることで、冊子に重厚感が増しますし、厚い紙を使えば持ちやすくもなります。となると、中身である本文が印刷されている紙とは違う紙に印刷するわけです。つまり中身ページと表紙は、別々に印刷されます。表紙部分は、表紙・表紙裏・裏表紙裏・裏表紙を一枚の紙(厚紙)に印刷し、あとで本文部分と合体させるわけです。

そこで先ほどの言葉を思い出して下さい。表紙用の紙は、表紙から裏表紙まで全部を印刷しますが、これはあとで半分に折られる(あるいは、背表紙分を見込んで折られる)わけです。折った状態で、表紙から順に見ていくと、なんと4ページのパンフレットのような形になりますね。表紙はちょうど1ページ目。だから表1です。表紙裏は2ページ目になりますから表2というわけです。

「表4に何を載せるか相談しようよ」なんて言うと、ちょっとプロっぽくてうれしいですね(笑)。ぜひお仲間にもこの言葉を教えてあげて、どんどん使って下さい。

表1から表4の図