内容・量・締切日を伝えます

編集にあたる者(あなたです)が書く記事以外の文章について、つまりどなたかに原稿を依頼する場合、必ず伝えなければならない事柄があります。それは以下の三つです。

  • 文章として書いていただきたい内容、テーマ
  • 文章の量
  • 締切日

[内容・テーマを伝える] 依頼方法が文章の善しあしに影響します

広報担当になったあなたが、どなたかに原稿の執筆依頼をするとき、次のようなお願いの仕方をしてはダメですよ。

「お忙しいところ申し訳ございませんが、私たちの広報誌に、何かちょっと書いていただけませんでしょうか」

「何かちょっと」という抽象的な言い方は、書き手を困らせるだけです。困った書き手は、あいさつ文的な、当たり障りのない文章を書いてきます。せっかくの依頼文なのに、これでは読み応えのあるものになりませんね。

原稿を依頼するときは、必ず書いていただきたい内容を具体的に伝えましょう。たとえば、学校の先生にお願いするなら……。

「先生のこれまでの教師生活のなかで『子供に教えられた』と思ったご経験をお教えください。先生とその子が関わった具体的なエピソードがあれば、ぜひそれも加えてください」

こんな風に、書き手が何を書いたらいいのか、どういう内容が求められているのかが分かるような依頼の仕方をすることが大切です。またこうした内容は、原稿依頼をする前(企画会議や編集会議の段階)に、しっかり決めておくようにしましょう。

原稿依頼のイメージ=女性が執筆

[文章量を伝える] 文字数ではなく行数での依頼がベター

どれだけの文字量で書いてほしいかを伝えることも大切です。極端に少なかったり多かったりすると、レイアウトの際にとても困ることになります。ラフレイアウトの時点で概ねの文字量が算出できますので、それに沿って量を伝えます。

なお原稿依頼で文字量を依頼する場合は、文字数ではなく、行数でお願いした方がいいでしょう。ラフレイアウトの1行あたりの文字量が例えば15文字であるなら「1行15文字で○○行程度で書いてください」と依頼します。

400字とか800字といった文字数で依頼すると、思ったより多かったり少なかったりする場合があります。それは、1行あたりの文字数によって、実際の量が異なるからです。極端な例ですが、400文字と依頼した場合、1行あたり100文字の原稿用紙に書かれれば4行になります。もし途中で段落替えがされていて改行があったら、改行後の下は空白になるわけです。もしそれが2行目の上から3文字目だったとしたら、97文字も少なくなってしまいますね。ということで、思ったような(ラフレイアウトに反映できるような)文字数を依頼するなら、1行あたりの文字数を決めて行数で指定することが望まれます。

実際に依頼する際、本来であれば、広報誌の本文の1行あたりの文字数に沿った用紙(紙面本文が1行15文字なら、同様に原稿用紙も1行15文字)を用意するといいのですが、新調するのはなかなか難しいので、市販の用紙を活用しましょう。本文が1行あたり15文字なら、市販の400字詰め原稿用紙(1行が20文字)の下5文字分を割愛して依頼先に渡すわけです。はさみで切り取る必要はありません。下5文字分に大きくバッテンを付けておけばOKです。

文字データでの入稿がお願いできるのであれば、前述のように「1行15文字で○○行程度で」と伝えるようにします。

依頼先に渡す原稿用紙の例

依頼先に渡す原稿用紙の例(1行15文字で依頼)

[締切を伝える] 余裕をもった締切日を伝える

せっかく興味深い原稿を書いていただいても、発行に間に合わなくては何にもなりません。原稿依頼の際に、締切日をはっきり示すことが大切です。

締切日は、発行日から逆算して決めましょう。印刷・配布に何日かかるか、その前の校正作業(チェック)に何日かかるか、その前のレイアウトに何日かかるか、さらにその前、つまり届いた依頼原稿をチェックするのにどれくらいかかるか……。それらを鑑みると、締切日は概ね、発行の1カ月くらい前(場合によっては5週間、6週間程度)と踏むとよいのではないでしょうか。編集作業や印刷作業の時間によっては、もっと短くしなければならない場合もありますが、あまり短すぎると、依頼先の人に「そんな短時間じゃ書けない」という印象を持たれてしまいます。

なお、原稿を書いてくださるすべての人が厳密に締切日を守ってくれるとは限りません。諸事情で遅れることもあります。そんな場合にも対応できるよう、1週間程度の余裕を見た締切日を設定した方がいいでしょう。